日経平均株価が7万円前後の史上最高値圏で推移する中、「今からAI株や半導体株(キオクシアHDや東京エレクトロンなど)を買うのは資金的に厳しい…」と悩んでいませんか?1単元(100株)で数百万円から一千万円近く必要な銘柄も多く、一般的な個人投資家にはハードルが高いのが現状です。
半導体業界で働く立場から見た視線
実際に半導体製造装置メーカーで働いていると、東京エレクトロンやキオクシアのような銘柄が連日メディアで取り上げられているのを日常的に目にします。ただ、業界の内側から見ても、足元の株価が「今の業績・受注状況」だけでなく「将来のAI需要期待」まで相当織り込んでいるように感じることが多く、後追いで飛び乗るにはリスクが大きいというのは、投資家としても業界関係者としても共感できる部分です。
そこで今回注目したいのが、元手300万円から資産17億円超を築き上げた個人投資家・シケモク投資家さんが実践する「資産バリュー株投資術」です。
今回は、彼が2026年6月にKADOKAWAから出版した著書『サラリーマンが株で4億円。FIREして今17億円』の知見をもとに、ブームに左右されず「とにかく下がりにくい割安株」を見つけ出す投資手法を解説します。
1. シケモク流「資産バリュー株投資」とは?
「資産バリュー株投資」を一言でいうと、「本来100円の価値があるものを、50円以下の安値で買って100円に戻るまで待つ」スタイルです。
企業の決算書(有価証券報告書など)を徹底的に読み込み、タバコの吸い殻(シケモク)のように「誰も見向きもしない不人気な小型株」の中から、企業価値に対して極端に割安な銘柄を長期保有します。
シケモク投資家さんは「全く成長しない、または赤字続きの企業には興味がない」と断言しています。狙うべきは、「財務は極めて健全なのに、ただ不人気だという理由で正当に評価されていない株」です。
2. PBR1倍割れでも危ない?「バリュートラップ(割安の罠)」
株価が割安かどうかを測る一般的な指標としてPBR(株価純資産倍率)があります。東証(東京証券取引所)がPBR1倍割れ企業に対して改善を要請したことも記憶に新しいですが、シケモクさんは「PBRだけで判断すると割安の罠(バリュートラップ)に陥る」と警告します。
現在、日経平均が7万円台の高値圏にあっても、日本を代表するトヨタ自動車をはじめ、多くの企業が依然としてPBR1倍を割ったままです。つまり、「安いから」という理由だけで買うと、株価がずっと上がらないまま放置されるリスクがあるのです。
3. 億り人がPBR以上に重視する「3つの非事業資産」
バリュートラップを回避するために、シケモクさんが企業の貸借対照表(B/S)から抽出しているのが「本業とは直接関係のない非事業資産」です。具体的には以下の3つの資産を最も重視しています。
- ① 現預金: 企業が手元に持っている現金や預金。これが多いほど倒産リスクが低く安全。
- ② 投資有価証券: 他社の株や債券などの資産。含み益がある場合、企業の隠れた価値になります。
- ③ 賃貸等不動産: 自社ビルや他人に貸し出している不動産。帳簿上の価格(簿価)より実際の市場価値(時価)が高く、莫大な「含み益」を抱えているケースが多い。
これら3つの資産価値を合計しただけで、「軽く時価総額を超えているような企業」こそが、シケモク流投資のメインターゲットとなります。
半導体業界の視点からの補足
実際、半導体・電機セクターの中には、長年の事業で積み上がった投資有価証券や保有不動産が、時価総額に対してかなりの比率を占める企業が存在します。業界の中にいると、こうした「本業の業績だけでは見えない資産価値」が意外と見過ごされがちだという実感があります。
4. エンジニアの経験を活かした「再現性のある」銘柄探し
シケモク投資家さんは元大手電機メーカーの半導体エンジニア。そのバックグラウンドを活かし、汎用プログラミング言語「Python(パイソン)」を使って全上場企業のB/Sデータを自動で収集・一元管理しています。
かつては1,000社以上の有価証券報告書から「時価ー帳簿価額」を手作業で抜き出すという「気合と根性」の作業を行っていたそうです。
同じ理系出身者として
半導体業界のエンジニアはデータを地道に集めて分析する訓練を日常的に積んでいるので、こうした「感情を排除してデータだけで判断する」アプローチは、業界出身者にとって比較的馴染みやすい手法だと感じます。
5. 今の株価は目標の半値!?誰もが知る大手企業も"激安"水準
日経平均が史上最高値圏にある現在でも、シケモク投資家さんは「まだまだ期待高まる割安な資産バリュー株がある」と言います。
実際に彼が厳選した資産バリュー株4銘柄の中には、誰もが知る大手企業であるにもかかわらず、「今の株価は目標株価の半値ほど」という驚きの激安水準で放置されているものもあります。
まとめ
相場がどれほど盛り上がっていても、一歩引いて「誰も見向きもしないけれど、中身はピカピカの割安株」を見極める視点は、機関投資家と違う土俵で戦う個人投資家にとって現実的な戦略の一つと言えそうです。株価チャートだけでなく、企業の本当の価値が詰まった「有価証券報告書」を一度めくってみるのも良い方法かもしれません。
シケモク投資家 プロフィール
投資歴25年の個人投資家。大手電機メーカーに勤務しながら2001年に株式投資をスタート。2022年に資産4億円を達成してFIRE。現在は資産17億円超を築く。2026年6月、著書『サラリーマンが株で4億円。FIREして今17億円』(KADOKAWA)を出版

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